2015年7月30日木曜日

アブラゼミの羽化

▲午後7時55分、植物保護のロープの上でアブラゼミが既に羽化し終っていました。

▲午後8時57分、だいぶ色が濃くなってきました。

▲これは別の個体ですが、午前5時45分の写真です。
 しっかりした体つきになり、いつでも飛べる状態ですね。
 清瀬では昔から「おおぜみ」と呼ばれて、親しまれてきました。
 木の枝に産み付けられた卵は、翌年の6,7月に孵化し、幼虫期間4~6年を経て、5~7年後に羽化します。
 長い地中生活を終えて、やっと地上に出てきたという訳です。

2015年7月29日水曜日

ツクツクボウシの羽化

▲植物保護のロープ上に、ツクツクボウシの幼虫が静止していました。(8:01)

▲背が割れて、成虫の体がせり出してきます。(8:12)

▲体の大部分が出て、ぶら下がります。(8:18)

▲体が全部出てきて、翅が伸びます。(8:37)

▲翅が全部伸び切りました。(8:42)
 幼虫の背が割れてから、およそ40分です。
 写真は23日に撮影したもので、ツクツクボウシとしては早い羽化です。
 立秋のころから、よく鳴き声が聴かれるようになります。
 子供のころに、このセミの声を聞くと、もう夏休みも半分だなとさびしい気分になったものです。
 卵から成虫まで、およそ3年かかるセミです。
 最近の研究によると、成虫になってからも1か月ほどは生きているようです。

2015年7月28日火曜日

ニイニイゼミの羽化

▲擬木にとまった泥をかぶりの幼虫は、ニイニイゼミです。
 幼虫の背が割れて、成虫の背が見えてきました。(20:17)

▲体を出して、ぶら下がります。(20:33)

▲体を起こして、脱皮殻につかまります。(20:46)

▲翅がすっかり伸びました。(20:55)
 ここまで、背が割れ始めてから、およそ50分です。
 ニイニイゼミの翅は不透明で、木肌のような複雑な模様があります。

2015年7月27日月曜日

ヒグラシの羽化

 清瀬の雑木林には、セミの仲間のヒグラシが生息しています。
 昔から「やけやけ」という呼び名で親しまれてきました。
 おもに明け方と夕方、うす暗い時間にカナカナカナ…と鳴きます。
 子供のころ、明け方に鳴く多くのヒグラシの声の賑やかさに、よく目を覚まされたものです。
  
▲そのヒグラシの羽化の場面に遭遇しました。
 最初は、脱皮殻からぶら下がっている状態でした。 (20:13)

▲体を持ち上げ始めました。

▲脱皮殻につかまり、尻を抜きます。

▲尻を抜いた直後は、翅がまだ縮まっています。

▲翅は、見る見るうちに伸びていきます。

▲翅がすっかり伸びました。(8:30)
 体が固まるまでにはもうしばらく時間がかかります。

2015年7月26日日曜日

ベニスズメ

▲きのうの続きです。
 クルマスズメが飛び去ると、入れ替わるようにベニスズメが飛来しました。
 スズメガの仲間は地味な色合いのものが多いのですが、ベニスズメはピンク基調のなかなか派手な装いですね。
 3センチほどの口吻を伸ばして、カブトムシがひしめくすき間から樹液にありついていました。

▲きのうは、清瀬市郷土博物館で行われた夏休み寺子屋教室「チョウのりんぷん転写」の指導に行ってきました。
 小学校の1年生から5年生までの11人が参加してくれました。
 写真は、作品の一つです。

2015年7月25日土曜日

夜の樹液酒場は大賑わい

▲夜の樹液酒場は、昼間に比べるといっそう賑やかになります。
 昼間見られたチョウやスズメバチは姿を消し、夜行性のアカアシオオアオカミキリやガの仲間が樹液を求めて集まります。
 クルマスズメ(写真中央)はホバリングをしながら、カブトムシたちがひしめき合うすき間に、長い口吻を挿し込んで上手に樹液を吸っています。
 クルマスズメは実際には高速で羽ばたいていますが、写真撮影の光源がストロボの閃光だけなので、翅がとまっているように見えます。

2015年7月24日金曜日

コムラサキの構造色

 土曜日に郷土博物館で開催する「りんぷん転写」教室の材料集めに、金山緑地公園に行ってきました。

▲コムラサキが、ヤナギの樹液を訪れていました。
 雄か雌か、翅の裏側だけでは見分けられません。

▲翅を開きましたが、紫色ではありません。
 雌でしょうか。

▲いいえ、雄でした。
 真ん中の写真は、コムラサキのりんぷんにもともとある色素色です。
 雄は、光の当たる角度により反射光が干渉を起こして紫色に見えるのです。
 これが構造色で、りんぷん転写すると、紫色は見えなくなってしまいます。

2015年7月23日木曜日

ちいちいぼう

▲林の梢の方から「チー、ジー」というセミの鳴き声が盛んに聞こえるようになりました。
 ほかのセミよりも早く鳴き始めるニイニイゼミです。
 その鳴き声から、清瀬では昔から「ちいちいぼう」という名で親しまれてきました。

▲サクラの木が特に好みのようです。
 色や模様が木の肌によく似ていて、これも隠蔽擬態といえるでしょう。
 翅まで含めても最大4センチたらずの可愛らしいセミです。

▲脱皮殻は泥にまみれているのが特徴です。
 幼虫期間はおよそ3年とみられています。

2015年7月22日水曜日

枯れ枝が飛んだ

 暑い中を、孫と一緒に虫を探して歩きました。
 せせらぎ公園の木柵の上にあったのは…

▲これなんだと思う?
 木の枝でしょ。
 さわってごらん。
 スルスルしてつかめないよ。
 えっ、足を出して歩いた。
 あっ、飛んだよ。
 虫好きな孫も見事に騙されました。
 枯れ枝に隠蔽擬態したツマキシャチホコというガでした。  

▲こちらは、木のベンチの上にあった本物の枯れ枝です。

2015年7月21日火曜日

姥百合と狐の剃刀

▲せせらぎ公園を歩くと、たくさんのウバユリが咲いているのが見られます。
 薄緑色の花には、なかなか趣があります。
 花の時季には葉(歯)が傷んで欠けていることが多いことから、姥百合の名が付きました。

▲キツネノカミソリも咲き始めました。
 うす暗い林の中に咲く赤い花を、狐火に見たてたのでしょう。
 日本剃刀のような形の葉は、花の時季には枯れてしまっています。
 最盛期には群落を形成して見事です。
 季節の移り変わりに連れて、さまざまな野の花を楽しめるのも嬉しいものです。

2015年7月20日月曜日

アシナガオニゾウムシ

▲エノキの幹に団子状態になった虫のような塊を見つけました。
 アシナガオニゾウムシが交尾をしているのです。
 頭は下向きです。
 体長は12ミリほどです。

▲下側にいる雄のゾウムシの前脚がこんなに長いのです。
 雌の前脚は特別長くはありません。
 雄は右前脚を雌の背の上にのせて宥めているように見えますね。
 長い脚は、交尾のときに役立つのでしょう。
 オニの名は、厳つい体つきから来ているのでしょうか。
 この日、同じ幹に4ペアを見つけました。

2015年7月19日日曜日

昆虫少年と昆虫老人

▲夏休みに入って、林の中に子供たちの声が響く。
 虫探しをする昆虫少年たちだ。 
 清瀬のカブトムシは発生の最盛期を迎え、子供たちの虫篭の中にはカブトムシやクワガタムシがひしめいている。 
 子供たちの顔も何となく誇らしげだ。
 昆虫たちのとのふれあいは、子供たちに多くのものをもたらすだろう。

▲ところが、早朝の林の中には昆虫少年ならぬ昆虫老人が歩き回っている。
 なかには、一網打尽に捕って行ってしまう老人もいる。
 同じ「昆虫―」でも、目的は大分違うようだ。
ノコギリクワガタのペアも数日はこの場所にいたけれど…

2015年7月18日土曜日

クロアゲハ

▲見ごろを過ぎたボタンクサギの花ですが、チョウに提供する蜜はまだあるようです。
 このチョウはクロアゲハですが、今から五十数年前に、後翅の赤い紋が異常に発達した個体が庭先を飛んでいたことを、その映像とともにくっきりと思い出すことができます。
 そのとき訪れていたのは、オイランソウでした。
 ボタンクサギの花はアゲハチョウの仲間が好んで訪れますが、もともとは中国原産の花です。
 初めは九州で栽培されていたようですが、温暖化の影響なのか、この植物の持つ生命力の強さなのか、広く野生化しています。

▲このクロアゲハは、後翅の前縁に白い紋が見えるので、雄です。
 常に羽ばたきながら蜜を吸っているので、上の写真もこの写真も、前翅がぶれて写っています。
 

2015年7月17日金曜日

クロスジシャチホコ

 きょうは、東京富士美術館にレオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展を見に行ってきました。
 それまで(ダ・ヴィンチ以前)になかった躍動的な戦闘画を描いたダ・ヴィンチの天才性に改めて感動しました。

 
▲きのうiPhoneで撮影した、クロスジシャチホコの写真です。
 台風11号の影響で朝からの大雨に濡れた木の幹にとまっていた個体です。

 
▲同じ個体を横から見たところです。
 背に見える茶色の毛の束が特徴的です。
 幼虫はイヌシデやアカシデなどの葉を食べているようです。

2015年7月16日木曜日

クリアナアキゾウムシ

 
▲台風11号の影響で大雨が降り、空堀川が増水していました。

▲クヌギの幹を、クリアナアキゾウムシが下に向かって歩いていました。
 結構な速さです。
 体長は15ミリ前後で、全身に点刻があります。
 

2015年7月15日水曜日

蟻地獄

▲林の木の根元にすり鉢状の巣穴が並んでいます。
 御存知、蟻地獄です。
 巣穴の真中の地中には、ウスバカゲロウの幼虫が潜んでいます。
 すり鉢状の巣穴に通りかかったアリやダンゴムシが落ちると、ウスバカゲロウの幼虫は大顎で獲物をはさみ体液を吸うのです。
 清瀬の方言では、ウスバカゲロウの幼虫のことを「あとしゃりいちこ」と言います。
 幼虫が後退りすることから付いた名前だと思われます。

▲ウスバカゲロウの成虫は、今頃から出現し9月ごろまで見られます。
 前翅長は4センチ前後で、林の中を飛ぶ姿がよく見られます。

2015年7月14日火曜日

さまざまなキノコ

 きのう、S小学校の学校給食運営協議会に出席しました。
 久し振りに美味しい給食をいただいた後、子供たちの給食の様子を見学しました。
 落ち着いた雰囲気の中で、おいしそうに食べている子供たちの様子を見て、残さい率5%が納得できました。素晴らしい数字です。

▲梅雨時の林の中には、たくさんのキノコ類が生えています。
 子供のころに祖母が、よくキノコ採りをしていたのを思い出しました。
 見分け方を学んでおけばよかったなと・・・。


▲左の傘は、直径が15センチほどもあります。






▲ダンゴムシにとっては、ご馳走のようですね。