2015年5月31日日曜日

ナナフシ

 郷土博物館の自然展示を、一部更新しました。
 自然レポートも更新していますので、ご覧ください。

▲ノイバラの葉の上に、ナナフシ(モドキ)の幼虫がいました。
 昼間は、こうして植物の一部になりきってじっとしています。
 捕食者に狙われにくくしているのでしょう。

▲同じ株に確認できただけで、3頭のナナフシがいました。
 雑木林の縁にある背丈の低い樹が好みのようで、よく見かけます。

2015年5月30日土曜日

子連れのカルガモ

▲金山緑地公園の池のほとりで休む、カルガモの親子です。
 6羽のヒナは、母ガモといつも一緒です。

▲ 子ガモたちは母ガモの後について、行動を見て真似て、生きるすべを身に付けていきます。

▲何かの事情でみなしごになった子ガモを人間が育てたところ、その子ガモは泳げずに溺れてしまったそうです。
 翅に油を付ける親ガモのしぐさを、子ガモが見て真似るから溺れずに泳げると云う訳なのですね。

2015年5月29日金曜日

ヒオドシチョウの蛹

▲空堀川管理道沿いの金網に、ヒオドシチョウの蛹がぶら下がっていました。
 でも、なんだか様子が変です。

▲寄生蜂の抜けた、大きな穴が開いていました。
 自然の中では、羽化率は1%程度といわれています。
 幼虫時代には鳥やアシナガバチに襲われ、蛹になってもこのように羽化できない者のほうが圧倒的に多いのです。

▲5月25日に出会ったこの成虫は、あらゆる困難な状況をくぐり抜けて成虫になることができた奇跡の1頭と言えるかもしれません。

2015年5月28日木曜日

モンシロチョウとスジグロシロチョウ

▲モンシロチョウ(5月25日)
 一番馴染み深いチョウなのに、中々レンズを向ける機会のないチョウです。
 いつでも撮れるからという気持ちがあるからでしょうか。
 この時季には、畑や明るい草地で多くの個体が見られます。
 食草がキャベツやアブラナなどが中心で、農作物と一緒に日本にやってきた有史以前の帰化昆虫と考えられています。

▲スジグロシロチョウ(5月28日)
 モンシロチョウと比べると個体数が少ないものの、雑木林の中などのあまり明るくない環境に適応しています。
 食草はモンシロチョウと同じアブラナ科植物ですが、イヌガラシやスカシタゴボウなど野草が中心です。

2015年5月27日水曜日

クワガタムシ活動開始

 5月に東京で真夏日が連続するのは11年振りとか、とにかく暑いですね。
 クワガタムシが活動を始めたのも、例年になく早いような気がします。

▲クヌギの樹液を吸う、コクワガタとヨツボシケシキスイ。(5月24日)

▲ヤナギの樹液を吸う、小型のノコギリクワガタ♂。(5月25日)

2015年5月26日火曜日

ナガサキアゲハ

▲林の縁の葉の上に黒いアゲハチョウが飛来し、翅を休めました。
 クロアゲハに似ていますが、後翅に尾状突起がありません。
 ナガサキアゲハの雄です。

▲こちらは、後翅に大きな白い紋のある雌のチョウです。
 ナガサキアゲハはもともと南方系のチョウで、清瀬で姿が見られるようになったのはここ数年の間です。
 冬の平均気温が上がったために、蛹が越冬できるようになったのです。
 3年ほど前に、大きなユズの木にたくさんの幼虫がついているのを見て驚きました。

2015年5月25日月曜日

柳にコムラサキ

▲柳の葉にコムラサキの雄がとまり、近くに別の雄が飛んでくるとスクランブルしていました。
 以前は、たまに見かける程度のめずらしいチョウでした。
 金山調節池のように、ヤナギ類がまとまってあるような場所がなかったからです。

▲柳の樹液を訪れているコムラサキです。
 サトキマダラヒカゲやアカボシゴマダラも来ていました。

2015年5月24日日曜日

水色にきらめくシジミチョウ

▲雑木林の縁を活発に飛ぶ水色のシジミチョウが目に入りました。
 今シーズン3種めのゼフィルス、ミズイロオナガシジミです。
 今年も、清瀬で確実に見られるゼフィルス3種が揃いました。
 ウラゴマダラシジミは、もう無理でしょうか…

2015年5月23日土曜日

采配蘭の花

▲中里の雑木林にサイハイランが咲きました。
 株数は多くなく、希少種といってよいでしょう。
 華やかさはありませんが、昔の戦場で指揮官が兵を指揮するときに使った采配に似た形状の花序は、不思議な魅力があります。
 栽培も試みられているようですが、土中の共生菌に大きく依存して栄養分を摂取しているため、かなり難しいと聞いています。

2015年5月22日金曜日

ツバメ夫婦の協同作業

▲5月20日、清瀬橋付近の造成作業現場での撮影です。
 ツバメの番と思われる2羽が飛来し、そのうちの1羽が嘴で泥をつついています。
 巣の材料にするための泥を集めに飛来したのでしょう。

▲つついていた方のツバメが、嘴に泥をくわえています。
 もう1羽は、見守っているだけ。
 私の存在が気になるのでしょうか?

▲カメラを構え続けていると、2羽とも私の方を睨んでいます。
 「じゃましないで」とでも言いたげに…
 右の1羽が先に飛び立ち、泥をくわえた方も少し遅れて飛び立っていきました。

2015年5月21日木曜日

朝の金山緑地公園

 朝7時から1時間、金山緑地公園を歩きました。
 清々しい空気の中、気持ちよく観察ができました。

▲コフキトンボがアシの茎にとまっていました。
 成長するにつれて、腹部が粉が吹いたように白っぽくなります。
 赤トンボぐらいの大きさです。

▲アシの葉にとまっていた、モモノゴマダラノメイガです。
 開張25ミリほどの小さなガで、幼虫はモモ、クリ、カキ、柑橘類などの葉を食べます。

▲カワセミが飛んできて、アシの茎にとまりました。
 アシの茎は、背景に写っている茎のように立っていたのですが、カワセミの重みで水平になりました。

▲池の水面には、アメンボが交尾していました。
 雌は、水面に落ちたカゲロウのような昆虫を捕食しています。

▲ショウジョウトンボが、ショウブの葉にとまっていました。
 風が強めで、草の葉にとまっている昆虫たちを撮影するのが大変でした。

▲アシの葉にいたのは、ヤブキリの幼虫です。
 夏には成虫の姿が見られるでしょう。

 
▲池のほとりの草の葉には、ウラナミアカシジミの姿がありました。
 ゼブラ模様が素敵です。
 今シーズン2種目のゼフィルスです。

▲頼りなさそうに飛来して枝にとまった、コシアキトンボです。
 羽化間もなかったのかもしれません。
 腰の部分が黄色なので、雌です。
 オスは白色です。


2015年5月20日水曜日

クロスジギンヤンマの産卵行動

▲きょうのせせらぎ公園で、緩やかな流れに浮かぶ枯れ木につかまって産卵しているクロスジギンヤンマです。
 胸に日本の黒いすじがあるのが、名前の由来です。
 ここでは、昨年も産卵行動を観察しました。お気に入りの場所のようです。

2015年5月19日火曜日

アカシジミとオオアヤシャク

▲雨上がりで、ゼフィルスが下の方に降りているのではないかと探していると、クヌギの小木にアカシジミを見つけました。
 新芽に口吻を伸ばしています。
 雨の水滴に、クヌギの新芽のエキスでもとけ込んでいたのでしょうか?

▲すぐ近くのネズミムギらしいイネ科植物に、派手な模様の大きなガの姿がありました。
 オレンジ色の体、黒い紋と帯のある翅、結構目立っています。

▲翅の表側が見える位置に回ってみると、緑がかった灰色の翅をもったオオアヤシャクでした。
 開張6センチほどもありそうです。
 このガの食草はコブシやモクレンで、幼虫は擬態上手のシャクトリムシです。

2015年5月18日月曜日

30年ぶりの再会

▲きょうの昼前、林の中を歩いていると、下草の上をポンポンと小さく跳ねるような飛び方をするシジミチョウが目に留まりました。
 あの懐かしいチョウではないかと心がときめきました。
 ひたすら止まるのを期待しながら追跡しました。
 そして、上のゴイシシジミの写真を撮ることができました。
 このチョウを清瀬で見るのはフィールドガイドの撮影以来ですから、およそ30年振りです。
 ゴイシシジミの幼虫は、ササにつくアブラムシを食べて成長します。
 チョウになってからも、アブラムシの出す甘露を吸っています。
 そんな食性のゆえか、今や希少種となってしまいました。
 それにしても、この林の中で30年命をつないできたのかと思うと感慨無量です。
 

2015年5月17日日曜日

卯の花とヒメウラナミジャノメ

▲卯の花(ウツギ)が花盛りです。5月13日
 畑の堺などに植えられていますが、林の縁にも自生しています。
 この花を見ると、「夏はきぬ」の歌を思い出します。

▲林の縁のウツギの花に、ヒメウラナミジャノメが来て吸蜜していました。5月15日
 翅裏の波模様と眼状紋は、なかなか魅力的です。

▲こちらは、同じジャノメチョウ科のヒメジャノメです。5月14日
 どちらも、今頃から秋まで、林の縁などで見られます。

2015年5月16日土曜日

ハナウド昆虫たちを養う

▲セリ科のハナウドが花盛りです。
 明るい草原よりも、林の縁にあることが多いです。

▲小さな花が集まった複散形花序には、多くの昆虫たちが集まります。
 日差しが降り注ぐ場所に咲く花には、クロハナムグリやコアオハナムグリがいっぱい。

▲この日(5月14日)は、コミスジやツマグロヒョウモンも吸蜜に訪れました。
 飛んでいるのは、コアオハナムグリです。前翅はしっかり閉じて、後翅だけで飛んでいるのがわかります。

▲小散形花序の茎には、アカスジカメムシの姿も。
 目立つ模様は、悪臭があるぞという天敵に対する警告です。

▲ちょっと日陰の株には、キアゲハの若齢幼虫の姿がありました。
 頭と胸の境目辺りから臭角を出しているのは、私が近づきすぎたからでしょう。
 キアゲハにとって、ハナウドは重要な食草の一つです。

2015年5月15日金曜日

ガマズミとアカシジミの記憶

▲清瀬の雑木林の中に咲くガマズミは、今が見頃です。(5月13日)

▲きのうオレンジ色のシジミチョウを見たので、確かめるために午後3時ごろ出かけました。
 すると、いましたいました、イヌシデの葉の上にアカシジミが。(5月15日)
 およそ30年前に、「清瀬のフィールドガイド」のための取材をしたときも発生が早く、ガマズミの花で吸蜜する個体を撮影したことを思い出しました。

2015年5月14日木曜日

ヤマウコギの花とチョウ

▲ウコギ科のヤマウコギの花が咲いています。
 花といっても大きな花弁があるわけではなく、小さな花が集まった散形花序です。

▲この花がチョウたちにとっては、貴重な蜜源になっています。
 アオスジアゲハが忙しく羽ばたきながら蜜を吸っていました。(5月13日)

▲こちらは、イチモンジチョウ。(5月14日)
 訪花していたのは、このほかにテングチョウ。
 クロアゲハやジャコウアゲハ、ゴマダラチョウやコミスジが樹冠を飛び回っていましたが、訪花はしませんでした。

 クヌギの木の梢に、オレンジ色のシジミチョウが舞っていました。
 これだけ暑いと、平地性ゼフィルスの羽化も早まりますね。

2015年5月13日水曜日

エゴノキとジャコウアゲハ

きょうは夏日になり、日差しが強い一日になりました。
でも、林の中を抜けてくる風は涼しくさわやかでした。

▲雑木林のエゴノキが花盛りです。(5月8日)

▲枝に鈴なりに咲いた花々からは、甘い香りが漂います。(以下5月13日)

▲甘い香りに誘われたのか、ジャコウアゲハのメスが吸蜜していました。

 
▲蜜を吸っては食草を探し求めて飛び、また花に戻ってくることを繰り返していました。


▲こちらは雄の個体です。

▲腹に赤い紋があるのは雄雌共通です。
 これは、鳥に対する警告色となっています。
 幼虫の食草ウマノスズクサの毒成分が、成虫の体にも残存しているのです。

 ▲地面に散り敷かれたエゴノキの花もまた、風情があります。