2015年9月30日水曜日

薄翅黄蜻蛉

▲せせらぎ公園のアシの茎で翅を休めていたのは、ウスバキトンボです。
 ウスバキトンボは南方生まれのトンボで、春から北上し清瀬では初夏のころから姿を現し、真夏に最も多いトンボです。お盆のころによく見かけることから、精霊蜻蛉とも呼ばれています。
急に涼しくなって、このトンボにとっては辛い季節になりました。

▲こちらは、9月になって数を増してきた赤とんぼ(アカネ属)の代表格のアキアカネです。
真夏には姿を見かけませんでしたが、暑さを避けて山や高原に移動していたのです。

2015年9月29日火曜日

黄花秋桜に黄揚羽蝶

▲第四中学校の南側に、キバナコスモスが咲いています。
 キバナコスモスには、多くのチョウたちが訪れて吸蜜していました。
 これは、キアゲハです。
 きょうは手元にコンパクトデジカメしかなく、その上風が強かったので、撮影に苦労しました。

2015年9月28日月曜日

女郎蜘蛛の交接

▲せせらぎ公園で、女郎蜘蛛の交接(交尾)が観察できました。
 大きいほうが雌、小さい方が雄です。
 昆虫のように尾端で交尾するのではなく、雄が口の近くにある触肢で雌の腹部にある生殖孔に精子を注入するのです。
 写真は、まさにそのときを写し撮ったものです。
 交接のチャンスは雌が脱皮した直後ということで、上方に雌の脱皮殻が見えます。

2015年9月27日日曜日

負蝗虫

▲草むらにいたオンブバッタのペアです。
 雌は褐色、雄が緑色型です。
 交尾していなくても雄が雌の背に乗っていることが多いのでこの名前ですが、雌を独占するための習性なのでしょう。
 草地でも林の縁でも見かけるので、他のバッタよりも適応性が高いようです。林や草地が周囲にない我が家の狭い庭にも、時たま姿を現します。

▲こちらは、せせらぎ公園で交尾していたオンブバッタです。
 雌は交尾しながら、ギシギシの葉を食べていました。



2015年9月26日土曜日

殿様飛蝗

▲今の時季、草地を歩くと足元からトノサマバッタが飛び出します。
 かなり遠くまで飛んで地上におりますが、草地の中におりるとどこにいるのか探すのが大変です。この写真の真中に写っているのですが、実際にはなかなか見つかりません。

▲これは緑色型の個体です。そっと近づいてシャッターを切りましたが、後足はすぐに飛び跳ねることができるように準備しています。

▲褐色型の個体は、枯れたススキの葉の上でじっとしていました。
 自分の体色を心得ているようですね。

2015年9月25日金曜日

彼岸花と揚羽蝶

▲暑さ寒さも彼岸までといいますが、本当に涼しくなりました。
 彼岸といえば、ヒガンバナですね。写真は、金山緑地公園に咲くヒガンバナです。
 全草有毒で、ネズミ除けに田の畦に植えられました。しかし、鱗茎は水でさらせば食用になり、飢饉のときの非常食に利用されたそうです。

▲花には、アゲハチョウやクロアゲハなどの大きな蝶たちが吸蜜に訪れます。
 写真は、中里2丁目に咲くヒガンバナを訪れたナミアゲハです。

2015年9月24日木曜日

眉立茜と小熨寸目蜻蛉

▲マユタテアカネ(雌)は、翅の先端に褐色の門があるトンボの一つです。
 名前は、顔に眉を思わせる黒い紋があることに由来していますが、この写真ではちょっとわかりづらいですね。
 口元に、ヤブカ(ヒトスジシマカ)の足が見えています。
 このトンボの写真を撮ろうとした私に近づいたヤブカを、マユタテアカネが素早く飛び立ち捕えて食べたのです。
 素晴らしい飛行能力です。

▲こちらは、やはり翅につまぐろ紋のあるコノシメトンボです。
 小さなノシメトンボという名前です。
 腹部側面にある黒いすじの模様が、着物の熨寸目の模様に似ていることから付けられました。
 マユタテアカネ(雌)とは、胸部側面の黒い模様の形で区別ができます。

2015年9月23日水曜日

赤翅長浮塵子

▲ススキの葉の真中に、アカハネナガウンカがとまっているのを見つけました。
 体長は5ミリ足らず、翅の長さは1センチほどです。
 オレンジ色の体が、緑の葉に映えてよく目立ちます。
 複眼の中の偽瞳孔に表情があり、愛嬌があります。
 ルーペを手にじっくり観察することができる昆虫です。

2015年9月22日火曜日

深山茜

▲せせらぎ公園の流れで、ミヤマアカネを見つけました。
 今が最盛期のようで、結構な個体数が見られました。
 翅の茶褐色の帯がよく目立ちます。

▲体が赤く染まっている右側の個体が雄です。
 せせらぎの上で、連結飛行しながら産卵している様子も観察できました。

2015年9月21日月曜日

日本飛竹節虫

 ▲空堀川沿いの柵の上にいる、ニホントビナナフシが目に留まりました。
 カメラを構えると、くるりと下側に回って枝のように体をぴんと伸ばして固まりました。
 草や木の枝だったら見事にとけ込むのでしょうが、これでは見え見えで滑稽ですらあります。
 
▲体長5センチ余りの立派な雌で、単為生殖で産卵します。
 翅をもっていても、私の観察した限りでは、羽や枝から落下し、滑空して姿勢を制御して着地をする感じです。

2015年9月20日日曜日

黄蝶

▲せせらぎ公園のハギの花で、キチョウが吸蜜していました。
 日に透けて見える翅の模様は夏型のものです。
 マメ科のハギは、キチョウの食草にもなります。

▲宮下橋付近のハギの枝には、キチョウの蛹がついていました。
 真ん中の黄色く色付いているのは、間もなく羽化する蛹です。
 これから羽化してくるのは、秋型でしょうか。
 すぐ右側の白いものは、既に羽化した後の脱皮殻です。

2015年9月19日土曜日

姫裏波蛇目蝶

▲ヒメウラナミジャノメは、春から秋まで姿が見られる小さなジャノメチョウの仲間です。
 これだけ小さくても、蛇の目模様が敵に対する威嚇効果を持っているのでしょうか。
 いくつも並んでいるのが効果的なのかもしれませんね。
 吸蜜している可愛らしい花は、ママコノシリヌグイです。
 姿に反して何とも恐ろしげな名前ですが、茎を見ると逆さに刺が並んでいます。
 触ると、これがとても痛い。
 このとげとげが継子の尻拭いという場面を想像させたのでしょうか、怖いですね。

2015年9月18日金曜日

雛飛蝗

▲清瀬橋付近の柳瀬川の土手にいた、ヒナバッタです。
 体長2.5センチほどの地味で小さなバッタなので、トノサマバッタやショウリョウバッタの陰に隠れがちです。

▲こちらは、金山調節池で見つけました。
 胸部背面の「くの字」もようが目印です。
 シュルシュシュ…と鳴くバッタですが、聴力の衰えからか私にはなかなか聞こえません。

2015年9月16日水曜日

姫赤立羽蝶

▲ニラの花で吸蜜するヒメアカタテハが見られる季節です。
 ヒメアカタテハという名前は、少し小さめのアカタテハという意味です。
 小さめといっても、世界中に広く分布し、海を渡るほどのバイタリティーがあります。

▲ヨモギの群落の中に、葉が丸められて白く目立つものが点々とあります。
 これは、ヒメアカタテハの幼虫の隠れ家です。

▲丸められた葉を開いてみると、ほら、ヒメアカタテハの幼虫が潜んでいます。
 ヨモギは、ヒメアカタテハの食草なのです。
 この時季には、幼虫だけでなく蛹も簡単に見つけられます。

2015年9月15日火曜日

精霊飛蝗と擬精霊飛蝗

▲柳瀬川の土手を歩いていると、足下からキチキチキチと音を立てて飛び出すバッタがショウリョウバッタです。
 雄の体長は4センチほどですが、雌はその倍もあります。

▲こちらは、そのショウリョウバッタに似ているショウリョウバッタモドキです。
 似ているといっても足は短く、体つきも繊細です。
 ショウリョウバッタほどには飛びませんし、キチキチという音もたてません。

その代わり擬態がうまく、そっと近づいてもすぐに葉の裏側に回り込んで姿を隠してしまいます。
これは雌で、体長は4.5センチほど。

▲こちらは触角の長い雄で、体長は3センチほどです。
 金山調節池周辺のオギの葉を探すと見つかります。

2015年9月14日月曜日

緑豹紋

▲きょうは、2頭のミドリヒョウモンに出会いました。
 これは、中里市民センター付近の柳瀬川畔に咲くキバナコスモスを訪花していた雌です。

▲こちらは、中里の保存林内で、クヌギの幹に産卵する雌です。
 1.5~4メートルぐらいの高さに、1卵ずつ産みつけていました。
 卵は来春孵化し、幹を降りて林床のスミレ類の葉を食べるのです。

2015年9月13日日曜日

雪隠黄金虫

▲中里緑地保全地域の歩道上で、センチコガネが死んでいました。
 地面を歩いているときに、踏まれてしまったものでしょう。
 センチコガネの新成虫は、9月に羽化してきます。
 この日は、もう1頭が地面すれすれに飛んでいるのを観察しました。
 目で追うと、草むらに降り立ちました。
 草をかき分けてみると、そこには、おいしそうな(もちろんセンチコガネにとってです)犬の糞がありました。
 センチコガネはすぐに、糞の下にもぐってしまいました。
 これから穴を掘って糞を取り込み、ゆっくり食べるのでしょうね。
 それにしても、改めてこのセンチコガネの嗅覚に脱帽です。

2015年9月12日土曜日

小さな狩蜂

▲林の中の杭のてっぺんで、体長5ミリほどの小さな狩りバチがワカバグモに毒針を突き立てていました。
 ファーブル昆虫記にも詳しく書かれていますが、ハチはクモを完全に殺してしまうのではなく、麻痺させているだけです。
 殺してしまうと、クモは腐敗してしまいます。
 が、毒で麻痺させられたクモは、生きたままの新鮮な状態でハチの幼虫のエサに供されるのです。

2015年9月11日金曜日

久し振りの日差し

 やっと雨が上がって日差しが降り注ぎ、待ってましたとばかりにいろいろなチョウたちが活動していました。

▲アベリアの花で蜜を吸うアゲハチョウ。

▲アオスジアゲハは、ヤブカラシの花から花へ飛び歩いていました。

▲キク科の一種の花には、キチョウが飛来し吸蜜。

▲ムラサキシジミは、日の当たる場所で日向ぼっこ。

▲せせらぎ公園のハッカの葉の上で休んでいたのは、ツマグロヒョウモンの雄。

2015年9月10日木曜日

横縞大針蠅

▲ササの葉の上で後肢で翅をこすっているオオハリバエです。
 体長は2センチほどある大型のハエで、全身に毛が生えています。
 林の中でわりあいよく見かけます。
 ヤドリバエの仲間で卵胎生、母虫は幼虫を生み落します。
 ネットで調べると、幼虫は通りかかったチョウやガなど鱗翅目の幼虫に寄生するとあります。
 歩き回って出会うのか、チョウやガの幼虫が通りそうなところに産み落とされるのかわかりませんが、生まれたばかりの幼虫にとっては試練ですね。
 ハエの幼虫が運よく宿主に出会い、寄生するその瞬間を実際に観察してみたいものです。

金水引

▲林の縁で毎年咲いているキンミズヒキです。
 造成工事で林の縁が削られたので、今年はどうかなと心配していたのです。
 1本だけですが、確認できて安心しました。
 金(黄)色の花の水引という名前ですが、ミズヒキはタデ科で、これはバラ科です。

2015年9月8日火曜日

仙人草

▲雑木林の縁で、センニンソウが白花を美しく咲かせています。
 名前は、花が終ると仙人の髭のような花柱が目立つことが由来です。
 キンポウゲ科で、全草に毒があります。

▲それでも花粉や蜜は美味しいのでしょう、シロテンハナムグリが飛来し花に潜るようにして食べていました。

2015年9月7日月曜日

裏波小灰蝶

▲畑の縁に咲く白いニラの花に、ウラナミシジミが訪れて吸蜜していました。
 このチョウは、秋になると姿を現し、せせらぎ公園のハギの花を訪れているのをよく見かけます。
 マメ科の植物に産卵しているメスを見ますが、幼虫が孵ったとしても清瀬では越冬できません。
 翌年、また南方から世代を繰り返しながら北上してくるのです。

▲林の中や川沿いでは、イタドリの花が今を盛りと咲いています。
 名前の由来は「痛み取り」で、若葉をもんで傷口に当てると痛みが和らぐといわれています。
 イタドリといえばすぐにイタドリハムシを連想しますが、この花にはいろいろな昆虫が集まります。
 どんな昆虫が集まるか、調べるのもの楽しそうです。
 

2015年9月6日日曜日

黄腹縁亀虫

▲マユミの木の下で、キバラヘリカメムシの幼虫を見つけました。
 つやつやしていて、まるで蝋細工のようです。
 緑の葉の上にいると保護色のように見えないこともありませんが、コントラストの強い配色で目立つようにも思います。
 食べても美味しくないという、警告色ともいえるかもしれませんね。

▲すぐ近くにいた、成虫です。
 せせらぎ公園に植栽されているマユミ、ニシキギに集まっているのを観察することができます。

2015年9月5日土曜日

緑軍配浮塵子

▲体長5ミリほどのミドリグンバイウンカが、交尾をしているところを見つけました。
 翅の幅が広く、全体の形が相撲の軍配を連想させるところから名前がつきました。
 透明な翅といい、体の模様といい、なかなか美しいと思います。
 トビイロウンカやセジロウンカは稲の大害虫として知られていますが、これはクワの葉につきます。
 

2015年9月4日金曜日

小青花潜

▲春から初夏にかけてよく目にするコアオハナムグリですが、初秋のこの時季はヤブカラシの花でよく見かけます。
 写真左手前の2輪のヤブカラシの花には薄緑色の花弁と4本の雄しべが見えますが、開花後半日ほどで脱落してしまいます。
コアオハナムグリがなめているのは、雌しべと花托だけになった花です。
 小さな花ですが蜜がたくさんあると見えて、多くの昆虫たちが集まっています。

▲こちらは、ジョロウグモの巣にかかってしまったコアオハナムグリです。
 コアオハナムグリはよく飛んで移動するので、このようにクモの巣にかかってしまう個体も多いのでしょう。

2015年9月3日木曜日

阿亀蟋蟀

▲林を歩くと、きれいなキノコが目に留まりました。
 傘の径が12センチほどもある大きなキノコです。
 色は美味しそうですが、食べられるのかどうか不明です。

▲こちらは、クヌギの幹に生えていたキノコです。
 やわらかそうで、匂いも悪くありませんが…

▲足元から、コオロギが飛び出しました。
 2センチぐらいでしょうか。
 オカメコオロギのようです。
 扁平な顔が、おかめの面を連想させるところから名前が付けられました。

▲こちらは尾(白っぽく見える部分)が長いので雌かと思ったら、翅に雄独特の複雑な模様があります。
 長翅型の雄のようです。