2020年7月31日金曜日

ツチイナゴ

▶足元から跳び出した大型のバッタは、ツチイナゴでした。トノサマバッタのように遠くまでは飛びません。

▶カワラケツメイの葉を食べているツチイナゴです。カワラケツメイは、東京都の絶滅危惧種です。

2020年7月30日木曜日

ノジトラノオの花

▶サクラソウ科のノジトラノオの花が咲いていました。関東以西~九州北部の草地で見られる希少種です。環境省の絶滅危惧種に挙げられており、清瀬の柳瀬川沿いでは保護されています。

2020年7月29日水曜日

イチモンジカメノコハムシ

▶虫食いの穴で網目模様になってしまったのは、ムラサキシキブの葉です。

▶これは6月4日に撮影したムラサキシキブです。そのときは花も葉もとてもきれいでした。

▶葉を食い荒らしたのは、イチモンジカメノコハムシという体長7~8㍉のハムシ科の甲虫です。

2020年7月28日火曜日

アジアイトトンボ

▶金山緑地公園の池で発生しているアジアイトトンボです。同じ場所で発生しているアオモンイトトンボとよく似ていますが、第9腹節の背面が青いことで区別できます。

▶交尾ペアも観察できました。


2020年7月27日月曜日

ツマグロヒョウモンの産卵

▶林の中の開けた一角で、ツマグロヒョウモンが産卵していました。近畿地方以西に生息していたツマグロヒョウモンを、清瀬で初めて観察したのが2005年のことでした。幼虫がパンジーなど栽培種のスミレの葉を好むだけでなく、アオイスミレなど野のスミレも食べるたくましいタテハチョウです。

2020年7月26日日曜日

ヤブカンゾウの花

▶せせらぎ公園の畔で咲くヤブカンゾウの花です。ノカンゾウに似ていますが、八重咲の花なので、見た目の印象はだいぶ違います。八重咲の花弁は、めしべやおしべが変化したものです。実ができないため、つる性の茎(ランナー)が地面をはって広がり増えていきます。小さな群落をつくることが多いのは、このような性質によるものです。

2020年7月25日土曜日

ブルーベリー園の招かれざる客

 
▶たくさんのミノムシがついていると、ブルーベリー農園から連絡をもらい駆けつけました。

▶ほんとうにあちこちにミノムシがぶら下がっていました。葉には食い痕もあります。蓑の大きさは、まだ1.5㌢ほどです。

▶葉を揺らすと、1匹が糸を吐いて降下しました。黒い頭が二つあるように見えます。脱皮の際に頭の殻を蓑にくっつけるのは、ニトベミノガの特徴です。

▶ブルーベリーの木には、ほかにも招かるざる客の姿が。

▶毒針毛を持つ、アオイラガの幼虫です。この毒針毛に触れると大変です。殺虫剤を散布できないので、ひとつひとつ丁寧に取り除かなければなりません。この時季の農園の大切な仕事です。


2020年7月24日金曜日

コヒルガオとイモサルハムシ

▶道端に咲くコヒルガオの花です。昼顔は、朝顔と同じように朝開花しますが、昼間で咲き続けることが名前の由来です。

▶葉には、金緑色が美しいイモサルハムシがいました。体長は6㍉前後、丸みがある体つきで足が長いハムシです。藍色や黒っぽい銅色など、いろいろな体色があります。名前のイモは、サツマイモの葉にも集まることが由来でしょう。

2020年7月23日木曜日

セリの花と虫たち

▶金山緑地公園やせせらぎ公園では、セリの花が咲いています。セリの花には、ヒメウラナミジャノメやテングチョウなどが訪れて吸蜜していました。

▶ベニシジミも一心に蜜を吸っています。

▶そんな昆虫たちを、白いアズチグモが待ち構えています。クモの白い体色は花の色に擬態していると考えられます。

2020年7月22日水曜日

カブトムシとノコギリクワガタ

▶カブトムシの最盛期です。梅雨が長引いているせいか、少し遅いですね。同じカブトムシでも、色が少し違います。茶色っぽい方を、子供のころは“赤カブト”と呼んでいました。

▶こちらは、メスのカブトムシです。オスにはある角がなく、体全体に微毛が生えています。

▶カブトムシと比べると、数がとても少なくなったノコギリクワガタです。幼虫が食べる朽木が林の中に放置されなくなったことも減少の一因と考えられます。

2020年7月21日火曜日

ヤブランの花

▶雑木林の林床でヤブランが咲き始めています。葉がシュンランに似ていることから“ラン”の名がついていますが、キジカクシ科(←ユリ科)に分類される植物です。雑木林に花が少ないこの季節、花穂をスッと伸ばして咲く姿は美しく存在感があると思います。

2020年7月20日月曜日

セミの季節

▶︎昨日は久しぶりに晴れて気温も上昇、蒸し暑い1日となりました。セミの声も賑やかに聞こえました。セミの幼虫の脱皮殻も、ニイニイゼミ(上の写真)、ヒグラシ、アブラゼミなどが見つかりました。

▶︎一番鳴き声が多かったのは、ニイニイゼミです。「清瀬の方言」では「ちいちいぼう」と呼ばれていたセミです。

▶︎ヒグラシのオスの姿も確認できました。明け方や夕方にカナカナカナ…と寂しげに鳴くセミです。「清瀬の方言」では「やけやけ」と呼ばれていました。
 ほかにも、ツクツクボウシ、ミンミンゼミ、クマゼミの声が聞かれました。

2020年7月19日日曜日

ヨウシュヤマゴボウの花にルリシジミ

▶秋にブドウのような実をつけるヨウシュヤマゴボウの花が咲いていました。北アメリカ原産の帰化植物です。直径6~7ミリの白い花はかわいらしいですが、毒草です。ブドウのような実も口にすると中毒症状を起こすので注意が必要です。

▶雨がやむとすかさずルリシジミが飛来し、吸蜜していました。

2020年7月18日土曜日

アオバズク

▶アオバズクには青葉が似合います。ときどき夜の屋敷林などでホッホッという声を聞きます。

▶清瀬でも子育ての様子が見られるとよいのですが。写真は一昨日狭山市で撮影しました。

2020年7月17日金曜日

トネアザミの花

▶雑木林の中やへりで、トネザミが咲いています。清瀬で一番たくさん見られるアザミの花です。

▶キク科の花ですが、花びらのように見える舌状花はなく全部が管状花です。

▶葉には鋭いとげがあります。タイアザミという別名は、葉を見て鯛の骨を連想したのでしょうか。これには諸説あるようです。

2020年7月16日木曜日

アオバハゴロモの成虫と幼虫

 
▶ヤマノイモの茎にアオバハゴロモがとまっていました。美しい緑色の翅をしたカメムシの仲間の昆虫です。子供たちからはハトなどの愛称で呼ばれますが、柑橘類の木の汁を吸う害虫でもあります。白っぽい粉のようなかたまりは、アオバハゴロモの幼虫です。幼虫は、白い粉のような蝋物質を分泌して身にまとっています。これはカビなどに擬態して、捕食者の目を欺こうとしていると考えられます。

2020年7月15日水曜日

中里緑地のヤマユリ

▶中里保全緑地のヤマユリが見頃です。清瀬の自然を守る会の会員がボランティアで支柱を添えてくれたので、花がよく見えます。

▶日本の山野に自生するユリの代表といってよいかもしれません。ヤマは山地というだけでなく、清瀬では畑仕事をする野良(ノラ)に対して、雑木林のことをヤマと呼んでいました。

▶こちらは萌芽更新後の中里1丁目緑地に咲くヤマユリです。日当たりがよいと、たくさんの花がつきます。

▶花の香りに誘われたのか、ツゲノメイガが訪れていました。

2020年7月14日火曜日

エゾツユムシ初めての出会い

▶“里山へGO!”の準備のために松山保全緑地のササむらに分け入った時、足下からツユムシの仲間がとび出しました。見慣れたツユムシではありません。翅の幅が広く、体つきもしっかりとした印象です。どうやら、エゾツユムシのようです。エゾとついていますが日本全国に分布し、西日本では山地性のようです。何度も訪ねている緑地ですが、まだまだ初めての出会いがあるものですね。成虫は、7月と9~10月の2回出現するようです。

2020年7月13日月曜日

2匹のヒダリマキマイマイ

▶松山保全緑地で、2匹のヒダリマキマイマイを見つけました。カタツムリは陸生の巻き貝ですが、ほとんどが右巻きということです。2匹が向かい合うようにしていたので、これから交尾するのかもしれません。カタツムリは雌雄両性の生殖器官をもち、交尾で精子をやりとりするといわれています。

2020年7月12日日曜日

スジブトハシリグモ

▶金山調節池で見つけたクモの仲間で、体長は2センチほどありました。イオウイロハシリグモに似ていますが、足が短めでちょっとずんぐりした印象です。水辺に生息するスジブトハシリグモのメスのようです。

2020年7月11日土曜日

トゲヒシバッタ

▶金山調節池で見つけたトゲヒシバッタです。湿地性のバッタで、全長は2.5センチほどです。白い触角、茶褐色の体には青っぽい点のように見える模様が散りばめられています。写真ではわかりにくいですが、胸の両側にとげがあることが名前の由来です。

2020年7月10日金曜日

ヤマトコマチグモの巣

▶金山調節池でよく見かける、ヨシの葉を綴ったクモの巣です。
 
▶葉を開いてみると、中にいたのはヤマトコマチグモです。体長は1センチぐらいです。カバキコマチグモほど毒が強くないということですが、咬まれないにこしたことはありません。

2020年7月9日木曜日

自宅で羽化したジャコウアゲハ

▶自宅で飼育していた7匹のジャコウアゲハのうち、4番目の個体が羽化しました。置いている場所にもよるかと思いますが、4個体とも早朝の羽化でした。後ろ翅や腹部に見える赤い紋は、鳥などの捕食者に対する警告色と考えられています。

▶翅を開いたところです。体内に食草のウマノスズクサ由来の毒成分を蓄積しているため、鳥が食べても吐き出すといわれています。

 
▶ジャコウアゲハの蛹は通称「お菊虫」と呼ばれます。蛹の姿を、後ろ手に縛られた女お菊に見立て名づけられたそうです。下はこれから羽化する5番目の個体です。上は3番目の個体の脱皮殻です。

2020年7月8日水曜日

葉も根もないマヤランの花


▶葉がない緑色の茎の上部に花を咲かせていた、ラン科のマヤランです。花はほぼ白色で、赤紫色の模様があります。春に咲くシュンランや、園芸品種のシンビジウムの仲間です。マヤランには根がなく、地下茎にラン菌(キノコの一種)を共生させて養分を得ています。また、このラン菌はある種類の樹木の根がないと生長できないので、移植して育てることは困難です。環境省指定の絶滅危惧種です。

2020年7月7日火曜日

タシロランの花

▶公園に生えていた不思議な雰囲気の植物は、ラン科のタシロランです。全体が黄色みがかった白色で、葉緑素をもたない腐生植物です。根にラン菌と呼ばれるキノコの一種を共生させて、そのラン菌を通して地面の朽ちた木や葉から養分を吸収しています。

▶地下茎を伸ばして花茎を出すので、小さな群落をよく作ります。しかし、毎年同じ場所に出るとは限りません。名前は、発見者の田代さんに由来します。